そして、現代の女性像という側面では、渡辺淳一に書かれた女性達は現代女性の意識を持っているということに、先行研究では共有しているが、現代意識の内容については、相違の意見が見られる。まず、安妮の＜因情而死，因死而生―渡边淳一女性书写的文化内涵探寻＞によると、女性の現代意識は女性は男性との交際の過程で心身が成熟し、道徳の束縛から抜け出し、愛を追求する勇気を生み出す。＜论渡边淳一爱情小说中的女性形象＞では、常艳は安妮の結論を支持しているが、男性の軟弱な一面を見据えてから女性は現代の精神を生み出すということを強調している。つまり、常艳は現代意識を持つ女性は精神が独立した女性を指すと述べている。また、张文池は＜女性掌控的男权世界―评渡边淳一紫阳花日记＞で以下のように述べている。『アジサイ日記』の川嶋志麻子は賢い女性である。彼女は敏感で、小さいことから主人の浮気を見つけ、主人あるいは主人の浮気の対象と「戦う」時、いつも冷静で克己心を持っている。また、作品の最後で川嶋志麻子は「自分を大切に生きる、それがこの年齢でも可能なことをしったからである。」、「夫には夫の世界があり、私には私の世界がある。」と日記に書いた。つまり、川嶋志麻子は夫と「戦う」過程で自我を見つけ、現代女性の意識を生み出す。しかし、川嶋志麻子の現代意識には妥協の部分があると张文池も述べている。川嶋志麻子は「やはりここがわたしの安住の場所だと、改めて自分に言い聞かせる。」 と言いながら、家庭に戻る。これも渡辺淳一が現実に妥協することであると张文池は考えている。王晋の＜浅析渡边淳一作品中的女性形象―以为何不分手为例＞でも大体同じ観点が見られる。来`自^751论*文-网www.751com.cn

  最後に、渡辺淳一がこれらの女性像を創る背景と意義についてであるが、まず、渡辺淳一は自分の心の中の理想的な女性を表していることである。安妮の＜因情而死，因死而生―渡边淳一女性书写的文化内涵探寻＞で正しくことは、耽美派作家谷崎潤一郎を崇拝する渡辺淳一は彼と同様に、女性の肉体の美観を追求し、また北海道の自然風景と京都の人文風景の影響を受け、渡辺淳一の作品に登場した女性は妖艶と純粋の完璧な融合体である。これらの女性は外界の様々な刺激を受けてから、究極の愛を追求し始める。これこそ渡辺淳一が示したがる理想的な女性像であると言うことだ。そして、张文颖は＜渡边淳一文学中的女性意象研究＞と言う文章で女性を武器として、道徳の囲みを破り、愛を謳歌することは渡辺淳一の目的あるいは現世への意義だと述べている。